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震度7のゆれが震度4並みに?家の品質を決める「耐震・断熱・換気」【ムック本からご紹介シリーズ vol.10】

こんにちは。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note編集部の西牧です。

住まいの窓口を利用し注文住宅を建てた方々にインタビューをする機会がありましたが、どの方もこだわったポイントの1つとして「耐震・断熱」を挙げているのが印象的でした。
また、LIFULL HOME’Sが2022年8月に実施した注文住宅購入経験者500人を対象としたアンケート(関連するnote記事はこちら)では、「こだわったポイント」の上位に、「住宅の耐震性」「住宅性能(高気密、高断熱、省エネなど)」がランクインしています。
耐震性や断熱性は、注文住宅や一戸建ての購入者が重要視するポイントなのだと感じました。
今回は、先日発売された『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本2023』から「耐震・断熱・換気」について解説します。
建売住宅や中古住宅を購入する際も確認すべき重要なポイントとなりますので、ぜひ最後まで読んでみてください。

『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本 2023』は、LIFULL HOME'Sが一部編集協力しています。出版社さんから許可をいただき、内容をご紹介します。

※全国の書店やウェブストアで発売中です!



住まいを契約する前に知っておきたい!「耐震・制震・免震」の構造の違い

『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本2023』より

過去の大地震や各地で起きている地震の影響により、地震対策に高い関心を持つ人は多くなっているのではないでしょうか。今後も首都直下地震や南海トラフ地震など、大きな地震が発生するといわれています。
私は住宅購入の経験がありますが、当時は耐震などについての知識もなく、実績のある建築会社であれば問題ないだろうと、特に確認していませんでした。ただし、調べてみると建築会社によって地震対策の構造や耐震レベルはさまざま。家を建てた後や購入後だと変えにくい箇所のため、しっかりと確認しておくことをおすすめします。それでは、『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本2023』より解説していきます。

『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本 2023』より

耐震といっても、どの構造を選択するかによって、何を対策できるのかが変わります。そこで知っておきたいのが「耐震」「制震」「免震」という耐震性能の構造の違いについてです。

「耐震(ゆれに耐える)」
日本の多くの住宅で採用されており、柱や梁など建物の主要構造の強度でゆれに耐える工法です。
メリットは、免震と制震の住宅と比較して建築コストが安いため、物件価格に手が届きやすいこと。ただし、ゆれが直接建物に伝わるため、建物への被害が大きくなったり、家具が倒れたりする可能性があります。

・「制震(ゆれを吸収する)」
制震部材を建物に組み込むことによって、ゆれを軽減することができます。耐震との併用も可能です。
メリットは、取り付けが比較的容易で、ゆれによる建物の主要構造へのダメージが少ないことです。ただし、免震と比較するとゆれを軽減する効果が低いため、大きな地震だと家具が倒れる恐れがあります。

・「免震(ゆれを逃がす)」
建物の基礎部に免震装置を設置して、ゆれを遮断する構造
のことです。メリットとしては、震度「7」のゆれを震度「4」程度に軽減できるため、ゆれによる被害が他の構造より抑えられるといわれています。ただし、導入コストが高額でメンテナンスの費用がかかります。免震は、コストが高い分安全性能も高いことが特徴です。

このように、耐震・制震・免震で、それぞれ特徴やコストが変わってきます。自分の希望と土地の地盤の強さ、予算を考慮して何を採用するか決めておくとよいでしょう。
また、建売住宅や中古住宅を購入する際も、立地や間取りに目が行きがちですが、「構造部分」もしっかりと確認しておくと安心です。


高品質な断熱は将来のコストダウンにつながる!

この冬、「電気代があがっている」とSNSなどで話題ですね。我が家も例年より上がっていたので、電気代の節約を試みています。ただ、数十年に一度の大寒波ともいわれているなか、とても寒く、なかなか暖房器具の使用を抑えることができません(エアコン、足元のヒーター、床暖房 ※床暖房はガスですが)。
冷暖房の効率が悪いと余計な電気代がかかり、家計の負担になってしまいます。そこで重要となるのが住宅の断熱性能。
断熱性能等級は、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に規定される基準のことで、下記の画像のようにランク分けされています。

『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本 2023』より

断熱性能等級は、令和4年10月に「断熱性能等級6、7」が新設されました。そして、2025年4月以降はすべての新築住宅に等級4が義務づけられ、新築住宅に関しては、断熱性能等級4が最低限の水準になります。
断熱性能を重要視するのであれば、等級が高い物件を選んだほうがよいため、住宅を建てる際や購入する際は、ハウスメーカーや建築会社に確認しておきましょう。


義務化している「換気」設備。どのようなものがあるか知ってる?

『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本 2023』より

一戸建て住宅をはじめ、現在すべての住宅に機械式の換気設備、いわゆる24時間換気システムの設置が義務付けられています。
換気はカビの発生などを抑える効果もあるので、居住者の健康にも影響しやすい設備です。
換気システムには給気・排気の方法によって3つの種類に分類されます。

第1種換気は、機械換気によって給気・排気を行う方式です。
第2種換気は、機械で給気し、自然に排気を行う方式です。
第3種換気は、第2種換気とは反対に、給気を自然に任せて、排気を機械で行う方式です。

第1種換気は空気の循環が最も安定しています。熱交換器が使えるのは第1種換気のみです。熱交換器は、寒い季節に室内に入ってくる空気を暖めることができます(熱交換器についての詳細はこちら:LIFULL HOME'S 住まいのお役立ち情報)。
ただし、第1種換気は導入費用が最も高く、第2種換気・第3種換気のほうが導入しやすい傾向にあります。

私の自宅は、第3種換気ですが、換気設備付近にいると、入ってくる空気が冷たいと感じることがあります。その経験から、予算が合えば、第1種換気の熱交換器が快適なのではないかと思います。


いかがでしたでしょうか。
住宅購入は、デザインや間取り、設備などに目が行きがちですが、「耐震・断熱・換気」の構造や設備については、後から追加する場合に費用や労力がかかりますので、しっかり確認しておくと安心です。
他にも『日本一わかりやすい一戸建ての選び方がわかる本 2023』では、住宅を購入する際の予算の立て方から買い方まで、一戸建ての購入に必要な情報をご紹介しています。全国の書店、ウェブストアで販売していますので、チェックしてみてくださいね!

住まいの窓口では、希望に合わせて「耐震・断熱・換気」に強い会社を紹介したり、比較したりすることができます。ご相談は無料のため、会社選びに迷った際はお気軽にご利用ください。

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