私が「おしゃれ」より「断熱性」にこだわりたくなった理由 #ハウジングアドバイザーと住まい
こんにちは。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note編集部の山口です。
「家を建てるなら、どんなところにこだわりたいですか?」
――そう聞かれたとき、あなたはどう答えますか?
「デザインにこだわって外観も内装もかっこよく!」と答える人もいれば、「とにかく家事がラクな間取りがいい!」と答える人、「デザインよりも間取りよりも都心までのアクセス、立地最優先!」と答える人もいるでしょう。
そんな百人百様の「家を建てるときのこだわり」を、普段住宅購入の相談に対応している住まいの窓口の“ハウジングアドバイザー”に聞いてみたら、どんな答えが出てくるのか…?
今回お届けする「#ハウジングアドバイザーと住まい」は、そんなギモンから生まれた企画。「自分が建てるならこんな家」をテーマに、住まいの窓口のハウジングアドバイザーに家への思いや価値観を聞いていきます。
今回お話を聞いたのは、杉坂さんです。
注文住宅ってこんなに暖かいんだ。姉の家で気づいた「断熱性」の大切さ
―杉坂さんは現在賃貸住宅にお住まいと聞きましたが、ご自身が今後家を建てるならどんな家を建てたいと思いますか?
私は断然「断熱性の高い家」にしたいです。
それというのも私の実家が寒暖差が激しく、特に冬はとても寒くて、築20年が経った頃ぐらいに約80万円かけて全部の部屋にエアコンを入れる工事を行いました。
ですが私は寒いのも苦手なうえに、空調設備が得意でないので、毛布をかけたり、服を着こんだりしていたんです。
ただ自分自身、実家の寒さに大きな疑問を持つことはなく、「一戸建ては寒いものなんだ」くらいに思っていたんですね。
その感覚が変わったのが、私の姉が家を建てたときでした。
姉は断熱性を高められるハウスメーカーで家を建てていて、遊びに行ったときに「暖かいな」と感じたんですね。同じ一戸建てでもこんなにも違うものなのだと驚いた記憶があります。
断熱性ってあまり気にしないところかもしれないのですが、この経験から生活のしやすさや快適さに直結すると実感しているので、自分なら重視したいと思いますね。
「30年後、自分の家に『おしゃれさ』を感じられるのか?」お客様から得た気づき
ー「断熱性の高い家」というのは、ご自身の実体験に基づいた理想なんですね。ハウジングアドバイザーとして働くなかで、その考えに変化が出たりはしなかったのでしょうか。
実は、この断熱性を高めたいという実体験と家づくりへの価値観がきちんと結びついたのはハウジングアドバイザーになってからです。
私は、アドバイザーになるまで住宅の知識がほとんどなく、アドバイザーデビューのために勉強する中で、注文住宅は住宅性能を高くできることを知りました。そして、姉の家は注文住宅で断熱性を高めていたから暖かったのだと納得したんです。
私は前職がアパレルだったこともあり、もともとデザイン性の高さやおしゃれさを重視するタイプ。昔の自分が家を買う状況だったら、デザイン性第一だったかもしれません。
でも、先ほど挙げた姉の家での経験があったり、アドバイザーとしてお客様の相談に対応したりして、おしゃれさやデザイン性以外にも目を向けるようになってきたと思います。
以前、担当したお客様で「デザインも住宅性能もそこそこ高い会社」と「住宅性能が抜群にいいけれど、デザインの自由度はあまりない会社」で迷われて、最終的に住宅性能が抜群にいい建築会社を選んだ方がいました。
その方の言葉が印象的だったのですが、
「自分たちの性格からして、30年後に自分の家の外観を見て『おしゃれにしてよかったな』とは思わないだろうし、ランニングコストのほうが気になるだろうと思う。だから最終的に性能を最重要にして、会社を決めました」
とおっしゃられていたんです。なるほどなと思いました。
デザインはトレンドもありますし、自分の中でも好みに変化が出てくるもの。実際、私も若い頃と今ではデザインの好みがだいぶ変わりました。
一方で、断熱性や耐震性などの性能の価値は普遍的。
そうした「変わらない価値」に重きを置くのも大事だなと思うようになったのは、アドバイザーになってからの大きな変化かもしれません。
家に対する価値観は人それぞれ。大事なのは「何を大切に暮らしたいか」
ー性能の価値が普遍的、というのはまさにそのとおりですね。そうしたご自身の経験はハウジングアドバイザーとしてのお仕事に生かされていますか?
家を買おうと考えたときに、「価格」「立地」などから考え始めるお客様は多いです。分かりやすいですし、ご実家や賃貸物件に住んでいても不満が出てきやすいところなので、希望としても出てきやすいんですね。
でも、長く住む家なら、住んでみて体感しやすい部分に目を向けてみることも大切。私のようにその大切さを体感する人もなかなかいないと思うので、自分の実体験も交えて伝えていきたいですね。
ただ、私の価値観がすべての方に当てはまるわけでもないと思います。
デザインにとにかくこだわりたいという思いを持っているなら、自分のかなえたい間取りやデザインをやり切るのも、もちろんよい選択だと思います。
お仕事が忙しい方、お休みの日も外出が多い方なら、家にかけるお金は最低限にして、その分、立地のよい場所に土地を買うことに回す、旅行などの娯楽の費用を増やすなどもその方にとってはベストな選択になりえます。
重要なのは、自分が何を重要視したいか。生活のどの部分にお金をかけて、何を大切に暮らしたいのかを明確にすることです。
アドバイザーとしても、そこをしっかりとヒアリングして掘り下げて考えられるようにお手伝いをしていきたいですね。
知らないで決めるのも、決めつけて諦めるのもNG。選択肢を広く持って住宅購入に臨んで
ーこれから家を建てる方へのメッセージをお願いします。
ハウジングアドバイザーをしていると、知識があまりなく家を買ってしまう人が想像している以上に多いなと感じます。
知らないまま決めるのと、知ったうえで決めるのは違います。
まずは情報を一通り集めたうえで、自分たちの意見を持って選択してほしいです。
かといって、ネットなどで情報収集して得た情報から思い込みが強くなってしまって、視野が狭くなってしまうのもよくありません。
例えば、建売住宅だと住宅性能が最低限で断熱性が低い、注文住宅だと高いという情報をネット上で見かけますが、断熱性に力を入れているハウスメーカーの建売住宅だと、断熱性が高かったりするんです。
このように、住宅購入に関して「○○だから△△」と言いきれないことはたくさんあります。
よく調べずに「こうだろう」と決めてしまうのも、最初から「無理だろう」と諦めてしまうのもやめて、いったんは自分たちが持ちうるありとあらゆる可能性を考えてみてほしいですね。
それが理想の家づくりにつながると思います。
私自身もハウジングアドバイザーとして、お客様の可能性を狭めない、お客様に新たな選択肢を提示できるような存在でありたいなと思います。
いかがでしたか。
「ハウジングアドバイザー」というとどんな人なのか想像のつかない方も多いと思いますが、この記事を通してその人柄や人間性を少しでも感じていただけていたらうれしいです。
「#ハウジングアドバイザーと住まい」はシリーズとして定期的に投稿していく予定ですので、次回もどうぞお楽しみに。
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