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同性カップルの住宅購入 多い悩みとその解決策

こんにちは。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note編集部です。

住まいの窓口では、2020年から「LGBTQマイホーム講座」を開設。同性カップルの方からの個別のご相談にも多く対応しています。
そこで、今回は同性カップルの方が住宅購入のどんなところで悩んでしまうのか、その対応策としてどのような方法があるのかをご紹介します。住まいの窓口のハウジングアドバイザー・藤田さんにお話を伺いました。


話し手:藤田さん(住まいの窓口ハウジングアドバイザー)
2017年LIFULLに入社。広告媒体の営業を経て、住まいの窓口のハウジングアドバイザーに転身。関東エリアで、店舗相談、ビデオ通話相談を担当している。LGBTQ(セクシュアルマイノリティ)、D&I(ダイバーシティ&インクルージョン)などのテーマに高い関心を持つ。趣味は映画鑑賞・ドラマ鑑賞。


同性カップルが住宅購入で悩むポイントって?

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――今回、「同性カップルの住宅購入の進め方」がテーマですが、同性カップルの方の住宅購入は実際難しいのでしょうか?

同性カップルだから住宅購入が難しいということはありません。悩む方の多いポイントなどはありますが、きちんと知識を持って準備すれば問題なく進められますよ。

――悩むポイントというと、具体的にはどのようなことがありますか?
住宅ローンに関して悩まれることが多い印象です。具体的には、どちらかお一人の名義で組む「単身ローン」にするのか、二人の名義で組む「ペアローン」にするのかです。
それぞれのローンにメリット、デメリットがあるので、どちらを選ぶか検討が必要になります。主なメリット・デメリットは以下です。

LGBQの図
単身ローンとペアローンのメリット・デメリット

単身ローンは、組めるローンの種類が多く、手続きも一般的な住宅ローンと同じ流れで進められます。しかし、組んだ方に万一のことがあった場合にパートナーの住まいが保障されない、ペアローンと比べると借入金額が少なくなる、などのデメリットがあります。
一方で、ペアローンは、単身ローンより借入金額が高くなりやすく、二人の共同資産にできるのが特徴です。ただし、同性カップルの方が組めるペアローンはまだまだ数が限られており、ほとんどの金融機関で公正証書など二人の関係性を証明する書類が必要になります。

――「公正証書」とは、どんな内容になるのでしょうか?

公正証書は、「当事者間で取り決めた一定の事項を公証人が証明した書類」のことです。遺言や任意後見人契約など、一般的にも使用されています。
同性カップルの住宅購入で必要になる公正証書は、主に①合意契約公正証書、②任意後見契約公正証書の2種類です。

①合意契約公正証書
…婚姻関係に準じた関係として共同生活上の合意事項を記したもの
②任意後見契約公正証書
…判断能力が低下した際にパートナーに日常生活の支援や財産管理を委ねることを示したもの

①がパートナーシップの合意書②が配偶者であることの合意書と考えていただくと分かりやすいと思います。
※一部の自治体で発行できる「パートナーシップ証明書」を公正証書の代わりにできる金融機関もあります。

公正証書の作成には、原案の作成や公正役場への提出などのステップがあり、数週間から数ヶ月程度の時間がかかります。そのため、ペアローンを考える場合は、作成時間を考慮して購入の用意を進めることが必要です
なお、楽天銀行など一部の銀行では、パートナーシップを証明する書類の提出不要で二人名義のローンを組むことができます。

▼参考:〈LGBTQの方向け〉同性パートナーと家・マンションを買うには? 知っておきたい住宅ローンの種類と相続
https://www.homes.co.jp/cont/money/money_00389/

▼参考:楽天銀行LGBT住宅ローンが広げた住まい探しの選択肢 商品化の舞台裏


同性カップルの対応実績のある会社や専門家の紹介も

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――ほかに、同性カップルの方の住宅購入でよく聞く悩みはありますか?

そのほかでいうと、お二人で不動産会社や建築会社に行かれた時に関係性を言わなければならないことにハードルを感じられるそれを受け入れてもらえるかどうか、といったことでしょうか。そもそもカミングアウトをするかどうかを悩む方もいますね。
また、購入した住宅は資産になりますので、結婚されているご夫婦だと万一のことがあっても、自然に相続がされます。しかし、婚姻関係にない同性カップルだとそうはならないと心配する方もいます。

――そうした悩みに、住まいの窓口ではどのような対応をしているのでしょうか?

ご希望があれば、過去に同性カップルの方の成約実績がある不動産会社や建築会社をご紹介しています。ご自身で不動産会社や建築会社に直接訪れると、時に理解のない担当者にあたってしまうこともあります。過去に実績のある会社や担当者のご紹介により、嫌な思いをすることを防げますし、話がしやすくなると思います。

また、必要な書類の作成をサポートする行政書士(LGBTQ当事者)のご紹介も可能です。先ほどお話しした公正証書や相続トラブルを防ぐための遺言の作成ができますし、FP(ファイナンシャルプランナー)資格も保有されているので、予算の相談が併せてできるのも強みですね。
さらに、先にご紹介した楽天銀行LGBT住宅ローンの窓口となっていますので、そのご案内もできます。


同性カップルだから買えない、はない。購入を考えるなら気軽に相談を

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――住宅購入を考える同性カップルの方へのメッセージがあれば、お願いします。

同性カップルだと一戸建てや注文住宅を購入するのはハードルが高いと思う方もいるようですが、実際に購入されているケースもたくさんあります。
同性カップルだから選択肢が狭まると決めつけず、まずはお二人で「どんな暮らしがしたいか」を考え、条件を整理して希望する住まいの方向性を見つけていただきたいです。
住まいの窓口のアドバイザーはみな、LGBTQの方の知識や対応経験があります。住宅購入で悩みがあれば、気軽に一度相談に来てもらいたいですね。


いかがでしたか。
一生モノの買い物となる家、同性カップルのみなさんにも後悔のないように見つけていただきたいです。記事にもあったように、「したい暮らし」からぜひ考えてみてください。
相談先として、住まいの窓口もぜひ活用してみてくださいね。


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