後悔しないためには?知っておきたい賃貸併用住宅のこと
こんにちは。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note編集部の山口です。
自宅の一部に賃貸住宅の機能を加えた「賃貸併用住宅」。
成功すれば家賃収入などが期待できる一方で、ネット上では「後悔」「失敗」などネガティブな意見も散見される住宅です。
今回は、そんな賃貸併用住宅の基礎知識について、ハウジングアドバイザーの関谷さんに分かりやすく教えてもらいます。
「稼ぎたい」で選ぶと後悔⁉ 土地を持っている人が検討したい住宅
ー賃貸併用住宅はどのような方が検討されることが多いでしょう?
まず多いのが、元々土地を持っている方ですね。
特に駅から近いなど利便性の高い場所や、周りに人が多く集まりそうな場所に土地を持っている方がよく検討されます。
なお、賃貸物件になるからといって極端に広い土地が必要なわけではなく、40坪~50坪程度の土地を持っている方なら検討できます。
あと多いのは、二世帯住宅を検討されている方です。
二世帯住宅でも賃貸用に貸し出せる部屋を併設することや、将来的に貸せるような間取りにすることもできます。
二世帯住宅も、実家を建て替えるタイミングで検討されたり、元々所有していた土地に親子で建てたりするケースがほとんどなので、いずれにせよ、土地を持っている方が検討されることになります。
▼二世帯住宅についてはこちらの記事をご参照ください。
ーすると、土地を持っていない方が建てるのは難しいのでしょうか?
土地から探して賃貸併用住宅を建てるとなると、自己資金を相当持っていない限り、住宅ローンの審査が厳しくなります。
賃貸併用住宅自体、建物価格も大きさによっては最低8,000万円くらいからになるので、一般の住宅を建てるよりかなり高くなってしまうからです。
また、賃貸併用住宅は収益性があるとはいえ、稼げるというものでもありません。感覚的には、住宅ローンの返済の足しになるくらいをイメージいただくとよいと思います。
「土地を持っていないけれど、稼ぎたいから賃貸併用住宅にしたい」という方には、実はおすすめできないんです。
ローンはどうなる?リスクはある?賃貸併用住宅のメリット・デメリット
ー土地を持っていることがポイントとのことでしたが、賃貸併用住宅にするメリット・デメリットを教えてください。
メリットとしては、自宅部分が延べ床面積の50%以上であれば、住宅ローンが利用できることです。※
アパートを建てるときのローン(アパートローン)は金利4~4.5%で設定している金融機関が多いのに対し、住宅ローンは変動金利だと0.5~0.6%程度の金融機関が多いので、借入金額を抑えることができますし、ローン返済の負担を軽減できます。
また、税金の面で優遇されたり、将来的に相続を考えている場合は譲渡しやすくなったりもします。
一方、デメリットは収益性のない土地でチャレンジしてしまうと借り手が見つからず、空室になってしまう可能性があることです。
収益性がないというのは、エリアにもよりますが、先ほどお伝えした「駅から遠い」「人が集まりにくい」といった要素を指します。
なお、土地にはそれぞれ建ぺい率(敷地面積に対する建築面積の割合)と容積率(敷地面積に対する建物の延べ床面積の割合)が決まっており、用途地域という建築できる建物の種類、用途の制限を定めたルールもあります。
そのため、たとえ利便性がよくても、賃貸併用住宅は建てられない土地もあるんです。
入居者が集まる賃貸住宅にするにはノウハウが必要
ー賃貸併用住宅を建てるときのポイントがあれば、教えてください。
まず、ハウスメーカー選びが大事だと思います。
どのメーカーでも賃貸併用住宅を建てることはできますが、建てた後は入居者や物件を管理していく必要があります。
たとえ安く建てられても、入居者が集まらず空室が続いてしまったりするとローンの返済にも関わってきます。
賃貸物件の集客や管理のノウハウのあるメーカー、具体的には、
自社でアパートなどを所有しているメーカー
サブリースで管理を依頼できるメーカー
を選ぶ方が安心です。
ハウスメーカー選びの視点では、住宅性能が高いメーカーであることも重要です。賃貸併用住宅だと、入居者の騒音面が気になるなどの問題も出てきかねません。
一方で、賃貸併用住宅自体価格が高くなるので、性能やメーカーのブランド力を求めすぎると価格が高くなりすぎてしまうこともあります。
予算をどれくらいまでにするかはよく考えた方がいいでしょう。
ー大事な視点ですね。そのほかにはありますか?
ハウスメーカーの担当者も大切です。
これまでもお伝えしたように、賃貸併用住宅は建てて経営していくのにふさわしい土地かをしっかり見極める必要があります。
集客面に問題がない土地か
用途地域や建ぺい率・容積率の観点で建てられる土地か
予算が妥当か
などを総合的に判断する力が求められます。
例えば、駅前の土地で集客面ではよくても、用途地域が防火地域だと木造で建てられないので予算が上がってしまうなどもあります。実績のない人が担当するのは難しく、後悔する結果となりかねません。
住まいの窓口でも、賃貸併用住宅を検討されるお客様に会社をご案内する場合には、実績豊富な担当者をご紹介するようにしています。
賃貸併用住宅で後悔しないために。実績豊富で信頼できる会社を選ぼう
ーでは最後に、これから賃貸併用住宅を建てることを検討されている方に向けて、アドバイスをお願いします。
賃貸併用住宅は、通常の住宅、二世帯住宅とは違って、立地に左右される面があります。「どうしても建てたいから建てる!」と進めてしまうと、空室やローンの返済に悩まされるなど、後悔することにもなりかねません。
自分に合っているかどうか検討したうえで、場合によっては賃貸併用住宅でなく一般住宅に切り替えるなどの判断も必要となります。
ただ、「賃貸併用住宅」という選択肢があることはぜひみなさんに知っておいてほしいと思っています。住宅購入ではあらゆる可能性を検討いただき、最善の選択肢を選ぶのがベストだからです。
そして、繰り返しになりますが、適切な提案と判断ができるハウスメーカーに対応してもらうことが必須です。
住まいの窓口では、賃貸併用住宅が得意な会社、実績豊富な担当者をご紹介することができますので、賃貸併用住宅を検討されている方は、ぜひ一度相談してみてくださいね。
いかがでしたか。
「賃貸併用住宅」のリアルな実情について、この記事を通して理解を深めていただけたら嬉しいです!
なお、住まいの窓口では、賃貸併用住宅について体系的に知識が得られる「賃貸併用住宅講座」もご用意しています。
こちらの受講もぜひ検討してみてください。
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