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「子育てにおすすめの街」を選ぶなら?アドバイザー5人に聞いてみました。【後編】

こんにちは。
LIFULL HOME’S 住まいの窓口note編集部の山口です。

今回の記事は、前回お届けした、住まいの窓口アドバイザーによる「子育て世代が家を買うときの街選び」の座談会企画後編!
まずは、首都圏のおすすめエリアから聞いていきます。

▼前編の記事はこちら


首都圏のおすすめエリアは? 行政の支援策に要注目

貞清:神奈川県だと横浜市内ですね。子育て環境でいうと、特に青葉区、都筑区がおすすめです。都内に近いんですけれど、自然や公園が多いですし、特に都筑区は若いファミリー層が多く、住民の平均年齢も県内で2番目に若いんです。ママ友など親御さん同士のつながりが作りやすい環境だと思いますし、保育所などもほかの区より充実していると思います。

畠山:今貞清さんが挙げたエリアは、1ヶ所で買い物が完結する大型の商業施設が多いですし、緑も多いですね。

貞清:そのほか港北区、路線でいうと東急東横線の綱島駅あたり、あとは横浜市営地下鉄ブルーライン、田園都市線沿いもおすすめですね。ただし価格は高いので、ご予算によっては検討しにくいかもしれません。

関谷:横浜市内でお求めやすい価格帯だと、泉区などでしょうか。大和市や綾瀬市などに近いエリアです。「山の横浜」とでも呼べると思います。

畠山:私がかつて担当したお客様でも横浜市の戸塚区や泉区の方に建てられた方がいます。完成したご自宅に訪問する機会があったのですが、まさに「山の横浜」という感じの、落ち着いた雰囲気の住宅街でした。丘で坂が多いエリアですが、バスが充実しているとあまり問題ないようです。
ちなみに、横浜は世間的にも「坂の街」のイメージがあるようで、ほかの横浜を希望されるお客様も、坂の多さをマイナスにとらえない方が多いです。

貞清:元々横浜をご存じの方はそうかもしれませんね。逆に地方から神奈川に移り住んだ方は、坂の多さを気にされている印象です。

畠山:坂が嫌いな人は、埼玉などほかのエリアを選ぶ傾向がありますよね。自転車の移動が多い方には埼玉県がいいかもしれません。

貞清:神奈川県を希望する方で予算が気になるなら、県央の厚木市がおすすめです。小田急線の本厚木駅から都内までは一時間程度で通勤圏内。隣の海老名市にはららぽーとがありますし、近隣で生活が完結できます。
コロナ禍が落ち着いてきていますが、都内から遠くてもよいと考えるなら選択肢に入れられます。

-神奈川県以外はいかがでしょうか?

関谷:個人的には、東京は全エリアおすすめできると思います。
東京都では18歳以下の子ども1人につき月5,000円、年間6万円を支給する「018サポート」が2024年から始まります。東京ゼロエミ住宅と呼ばれる、高性能な新築住宅に最大210万円の助成金を支給する制度もあります。
こうした補助金や助成制度は、東京都ならでは。東京都の潤沢な財政があって実現しています。予算的に高い場所も多いと思いますが、東京に建てることで、ほかの県より様々なサポートが受けやすくなるんです。

-都内でも特にこの市区町村、という場所はありますか?

関谷:最近でいうと、豊島区はおすすめです。
あまり子育てに向かないと言われた時代もありましたが、前区長の高野氏が駅前の再開発を進め、子育て制度も大きく改革されました。特に区立私立含め、保育施設が充実しています。さらに、東京都は中学卒業まで医療費無料ですが、2023年4月から豊島区は18歳の3月まで無料になりました。
年々住みやすくなっていると思います。

畠山:前編の明石市市長の話と通じますが、行政の子育て施策は、そのエリアの区長や市長などの公約が反映されています。エリア選びの参考にするとよいと思います。

関谷:行政の観点でいうと、千葉県の流山市もさらによくなりました。
子育て世代の人口流入が多く、豊島区同様、2023年から医療費助成が18歳になった年の3月までに延長されています。つくばエクスプレスも通っていて、東京ほどではないものの、ますます住みやすくなっていると思います。
また、埼玉県で挙げるとさいたま市岩槻区が注目です。学校の多い大宮まで電車で12分という近さで、東武野田線の急行停車駅でもあり、利便性に優れています。今年度中に埼玉高速鉄道が延伸申請を出すので都内へのアクセスが1本になり、さらに便利になるのもポイントです。

畠山:埼玉であれば、草加市・越谷市近辺もおすすめだなと感じています。私の妻の実家もこの近辺にあり、身内びいきもあるのですが(笑)、最近この近辺では新築マンションの建築や再開発による宅地整備が続々と進み、以前に比べると子育て世帯が増えた感覚があります。
都内へのアクセスも悪くなく、車があれば周辺商業施設や大型公園などへも行きやすいので、子どもができたら個人的に住みたい街の1つですね。

まとめ①:行政の子育て施策には、そのエリアの区長や市長の公約が反映されているので要注目

子どもの進学まで考えられている? 10年、20年先を見据えた選択が大切

-教育の観点で考えたときに、エリア選びで気をつけたほうがよいポイントはありますか?

高瀬:今まで挙がった治安や行政の支援は最優先で見てほしいのですが、私立受験を考えているなら、学校の場所も考慮するとよいと思います。
例えば、小学校を受験するなら、自宅は学校まで電車で90分以内で通える場所などのルールがあります。60分以内、もっと短い時間でと指定する学校もあるくらいです。そもそも、長時間お子さんを電車やバスで通学させるのも避けたいですよね。
子どもが大きくなって初めて知ることもありますが、少し先を見据えて動けるとよいと思います。

関谷:学校関連でいうと、タイミングは大事ですね。慎重に検討を重ねるのもいいですが、お子さんの年齢が上がるにつれて、人間関係などもできあがってくるので。入学前や入園前より少し前くらいに引越せるようにするのがポイントです。

畠山:小学校や幼稚園に上がるタイミングで引越したいといわれる方はよくいらっしゃるのですが、公立の小学校も幼稚園も入学する前の年の10月、11月の前までには入学や入園の手続きが必要なケースが多いです。入園を有利に進めるために、住民票を移さなければいけない自治体もあります。
※一部認可外保育園などでは通年で申し込みを受けているケースもあり

関谷:特に都内だと、10月までに引越していなかったために行きたかった学校の定員がいっぱいで、少し遠い場所に通わなくてはならなくなってしまうこともあります。

▼お子さんのいるご家庭の住宅購入時期をテーマにした記事はこちら。

ータイミングは重要そうですね。そのほかにはありますか?

高瀬:親の立場からすると、図書館の数がかなり重要だと感じます。子どもは絵本が好きなので、逐一買っていてはお金も収納場所も追いつかないんです。幸い私の自宅は、自転車で10分くらいのところに3か所、図書館があり、そのおかげでほぼ本買わなくて済んでいます。

松村:やはり交通の利便性でしょうか。おすすめのエリアでも話しましたが、立地はお子さんの通学のことも考慮したほうがよいです。
リモートワークが普及してきて、場所はどこでもいいですと言われる方も多いのですが、10年、20年先のことを考えたときに本当にその選択でいいのかは考えてほしいですね。

畠山:周りに同年代のお子さんがいるかどうかもポイントかもしれません。新興分譲地に家を建てた同僚のアドバイザーから、新興分譲地だと親御さん同士のグループラインがあり、学校の情報などを共有できて安心だと聞きました。同年代の子どもが多いほうがよいなら、そういうエリアを選ぶのも手ですね。
一方で、近所付き合いが必要ない人もいると思うので、選ぶポイントは「自分たちがどんな暮らしができると幸せなのか」に収束していくと思います。

まとめ②:家を買うベストタイミングは入学、入園前。図書館や通学の利便性なども考えて街を選ぶ

イメージ先行で選ばない。自分たちにとっての「教育によい」「子育てによい」を明確にして

座談会の様子

ー最後に、これから街を選んで家を買う人へのアドバイスをお願いします!

関谷:イメージ先行での街選びはやめたほうがいいです。街のイメージだけで「ここがいいです」「住みたいです」と決めてしまうと、実際に住んでみたときにイメージと乖離している場合があるので。データを見たり、自分たちで直接見に行ったりして決めたほうがいいと思います。

貞清:情報を調べるだけではなく、実際に現地に足を運んでほしいと思います。私が担当したお客様の中でも、街の雰囲気を知るためにその街のホテルに泊まって1日過ごしてみたという方もいました。
朝晩は、日中とはまた違う雰囲気だったりする可能性があるので、感覚や体感の部分も大切にしてほしいです。

松村:最初から視野を狭く、街を絞り込みすぎない方がいいとお伝えしたいです。立地は譲れない、この街と決めていたけれど、視野を広げて隣の街を見に行ったらすごくいい街だと感じる場合もあります。
住む街と建てる会社の価格感を比較をしながら、決めていってほしいなと思います。

畠山:ご自身の生活スタイルをもう一度洗い出すこと、どういう生活だったら幸せなのかをもう一度考えてみてほしいです。
私自身も今の住まい選びで生活スタイルを洗い出さなかったがゆえに、失敗した部分がありました。自分の生活スタイルに合った街を選ぶことができると、よい家づくりになると思います。

高瀬:今回の座談会を通して改めて思ったのが、「教育環境がいいエリア」というふわっとした用語で要望を伝えるのではなくて、自分たちが何を望んでいるかを具体的な要望に落とし込む必要がある、ということです。
そうでないと、「一般的に教育環境がいいと言われるエリア」や「その担当者にとって教育環境のいいエリア」をおすすめされる可能性があります。
自分たちにとってお子さんを育てるのに最適なエリアはどういう場所なのか、要望を具体的に言語化することを大切にしてほしいですね。

まとめ③:住みたい街に実際に足を運んでその街を体感すること、自分の住みたい街の希望を言語化することが大切

いかがでしたか。
街を選ぶときに考えておきたいポイントから、具体的なおすすめの街まで幅広くご紹介しました。みなさんの街選びの参考になったらうれしいです。

今回の座談会のテーマである「子育て世代が家を買うときの街選び」は、LIFULL HOME’S監修のムック本『教育環境で選ぶ 首都圏・関西で家を買って住みたい街』で、さらに詳しく取り上げられています。
こちらもぜひチェックしてみてください。


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